2017年7月7日金曜日

指も吹っ飛ぶ、危険な花火

アメリカの独立記念日・7月4日は、打ち上げ花火で盛大にお祝いをする日。
お誕生日おめでとう、アメリカ!

この日は国旗の色、赤、青、白を身につけたり、


バーベキューやピクニックをしたり。夏のシアトルは夜9時をすぎても明るいので、花火が始まるのは10時頃。
ピクニックにDJもいるリア充グループも

その花火が、2年ほど前からキットにとって恐怖になりました。
また花火さんが来るの?ぼく逃げるね

と言ってもオフィシャルの花火大会は我が家からは見えも聞こえもしませんが、近所の公園で延々と続く「違法の花火大会」がやっかいなのです。

花火にも合法、違法があり、シアトル市ではスーパーなどで合法の花火は買えますが、販売期間は独立記念日直前から当日まで。
花火のルールは管轄によってさまざま

違法の花火とは本物の打ち上げ花火さながらの、ドカン!と威力の強いヤツなどで、購入、使用が許可されているのは、インディアン居住地だけ。シアトルでこういう花火を使いたければ、インディアン居住地に行って買ってくるしかありません。

違法の花火大会は暗くなる前から始まり、地域によっては朝方まで激しく続いたり。当然ながら怪我をする人が後を絶たず、指を失う子供が毎年一人くらいはいます。
花火の前に充分な運動を!はセオリー

違法の花火をなぜ取り締まらないか?花火に着火している瞬間でも捉えない限り検挙できないし、こんなのをいちいち取り締まっていられないからでしょうね。

おかげでキットは今年、Sileoという薬を獣医さんであらかじめ出してもらいました。シリンジを使って口に注入するジェル状の麻酔のようなものです。


普段使いしているHappy Travelerよりシャープに効きますが、眠気に勝る爆音に震えが止まらず、 ダラダラよだれを垂らし、トイレにも行けず、バスルームの隅で動けなくなり...
ほっぺの内側にジュッと入れるんだよ

私もマットを敷いて、キットが落ち着いて眠るまで、一緒にバスルームの床で寝ました。

静かになった頃を見計らいトイレに連れ出したら、またドン!と鳴ってこれがトラウマに。以来、日が暮れてから外に出るとパニック状態。なんとか克服させようと、現在いろいろ試しているところです。
たくさん運動したのにね

わざわざインディアン居住地まで乗り付けて花火に散財し、闇に隠れてこそこそ爆音をたてるのが生き甲斐の、一年中この日を待ってるヒマなやつ...

バケツに水も用意せず、公園に残骸をまき散らし、関係のない人に後始末をさせる、無責任も甚だしい大人。

そんな輩のおかげでキットが辛い思いを!
大晦日にも使うの?

私たちは朝が早いのでこれまでも花火は辛かったけど、自分がガマンすれば済むことでした。でもキットが辛い思いをするのは堪え難い。

ね、お母さん。自分の痛みはガマンできても、子供の痛みはガマンできないでしょう?
食べ物も喉を通らない

この世は自分の身に降りかかってみないとわからないことばかり。キットだけじゃなく、他の犬、猫、野生の動物、鳥、赤ちゃん、お年寄り、病気の人も...辛いんじゃないかという思いが、急に頭の中を駆け巡りました。
おまんじゅうのように羽根休めをするカモの親子

そしてシェルターの犬たちも... 祝日で散歩のボランティアが足りないと連絡があったけれど、私はキットに付いていなければならず手伝えませんでしたが、

なでなでも、抱っこも、添い寝もしてもらえず、みんなケネルの中でジッと耐えたかと思うと、胸が痛みます。
里親募集中のハンサムハウンド、Chunk

私に子供がいたなら、指も吹っ飛ぶような花火は危ないだけじゃなく、まわりに迷惑がかかるものだと切々と教えるなー。
おまえたち、そんな大人になってはいけませんよ

キットは記憶力が良すぎて、楽しいことも怖いことも鮮明に覚えてなかなか忘れません。こういう時だけは、ボーッとシンプルな性格の犬だったらなあ! と思います...
だってぼくマミィより頭がいいからしかたないでしょ

花火も取り締まれないんだから、銃を取り締まれるわけがないよね、とイヤミを言いたくなるような祝日になってしまいました。

来年の独立記念日はカナダに逃げようと考えていますが、シアトル近郊かワシントン州で、犬と静かな独立記念日をすごせる場所をご存知でしたら教えてください...(アウトドア派ではないので、キャンプの選択肢はありません)。

ご訪問ありがとうございました。キットにクリックのご褒美おねがいします♡

5 件のコメント:

  1. 今年は去年より派手でしたよね。

    カーミングシグナルのルーガスがワークショップで、花火の時は何もしないでそっとしれいればいいって言ってました。自分が一番安心できるところへいって丸くなって耐えるから、それを邪魔しないほうがよいという意味だと思うんですが、会場から、少しでも楽にしてあげたいという声がボワーっと上がって、「花火の時期にちょっと対策して何とかなる方法なんてないわよ。」って。どうしてもというなら、1年前から来年に向けてトレーニングするぐらい長期的に取り組まないといけないし、別にしなくてもよい的な感じで説明していました。やっぱり難しいのかなぁ・・・。犬用の耳センとかダメかなぁ?カナダ行くほうがいいかもしれませんねぇ。

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    1. みんないろいろ試して悩んでるのに、肝心な答えがそれか!って感じなんでしょうね。私も犬の耳栓ないかなあと考えました。耳が遠くなるとこういう問題が解決していくみたいだし。キットはこういう時私たちのまわりをウロウロ、バスルームに誘導してここに一緒にいて!というような感じになります。普段から部屋から部屋へと影のようについてくる犬なので、特に怖い時はピッタリしていたいみたい。抱っこすると腕をギューッと掴んで来る感じ。似たような状況を作って長期トレーニングしたとしても本家の音を聞いたら水の泡になると思うので、カナダ逃亡が有力です。

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  2. キットくんの恐怖、わかります。てんすけも花火怖がりますし、雷も怖がります。キット君と同じく記憶力が良く、一度恐い思いをすると忘れないんですよね…。うちも花火の時期は学生達が公園で遊ぶので、しばらく公園は禁止になります。隣の国に逃げないといけないほどは本当に辛いですね!違法な事をしてまで遊ぶ神経がわかりません。キットくん、来年は心静かに過ごせますように。

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    1. 日本は花火自由ですもんね。ここは普段する人がほとんどいないだけマシなのかなあ。パニックになって火事場の馬鹿力で逃走してしまう犬もいるので(独立記念日翌日は迷子の犬が増えるらしい)、公園禁止は正解ですね。
      てんちゃんは「サンダーシャツ」試したことありますか?キットはもう花火のような恐怖には効かないけど、軽い症状の時(なぜか怖がるハエをみつけた時とか)なら今も使ってますよー。

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