2017年9月4日月曜日

怖いと噂のピットブル

その昔「怖い犬」の代表といえば、ブルドッグでしたよね。
出典 http://www.planetzot.com/cartoon_info.php?id=361#.Way8RoUr6RY

こんにち、家庭のペットとして人気のブルドッグを「怖い犬」と認識する人はあまりいないのでは。
出典 http://www.funpedia.net/cute-and-funny-puppies-falling-asleep-during-their-playtime/

現代、アメリカで「怖い犬」 と呼ばれて久しいのは、ピットブルだと思います。日本ではあまり知られていないかもしれませんが...
出典 http://suchgooddogs.blogspot.com/2013/01/breed-of-month-american-pit-bull-terrier.html

アメリカのシェルターに一番多い犬としても有名で、ボランティアしているアニマルシェルターにもピットブルとそのミックス(と思われる)犬がたくさん来ます。


シェルターに行ってみたらピットブルしかいなかったとか、ピットブルを散歩して怖くないのかとよく聞かれるので、ここでお話ししますと、


保護犬が人気のシアトルでは、シェルターに来て一週間とかからずに引取られる犬がほとんど。サイクルが早いので、ピットブルや大型犬が多い日、


小型犬が多い日などいろいろです。たまたま来てみたらピットブルばかりだった、ということはあると思います。
10歳のパピヨン、シェルターに来て4日ほどで家族が決まりました

私はピットブルを怖いと思いません。でも、ケネルに入るのを躊躇する時があります。ケネルはタタミを2枚縦に並べたようなサイズですが、
ほんとに?

前足でドアをドンドンと突き、ゴウゴウ吠えているピットブルを連れ出す時。 入って行ったら噛み付かれ、八つ裂きにされる...

...のではなく、大きな舌で顔中ベロベロ舐められ、ボヨンボヨン飛びつかれ、時に倒されるという、熱烈歓迎への躊躇!


散歩だけを楽しみに狭いケネルでガマンしている犬たちは、ボランティアが到着するととても興奮します。ぼくを一番に出して!と大合唱。 

まるで、さよならホームランを打ってダイヤモンドを一周し、ホームでチームメイトにフルボッコの歓迎を受けているみたい。私をこんなに歓迎してくれる人間はいないです...


シェルターに来た犬は最初に職員が安全性をテストしてからボランティアに託すので、人を襲うような犬がそもそもいません。

ただ、引っ張られて怪我をしたり、市が預る大事な犬を逃がしてしまわないよう、自分には無理だと思う犬と歩くのは避けています。


問題のある犬は専門の訓練を受けた人が担当しますが、こういった犬も多くの人と歩くうちに問題が暖和することが多く、里親はこういう犬の扱いに慣れている人が選ばれます。

実は私が扱いにくいと感じることが多いのは、 ハウンド系。人に媚びず匂いを嗅ぎにあちこち勝手に歩き、呼びかけに応えないこのタイプは、里親希望者と面会しても人なつこい態度を示さないので、 なかなか決まらないことも。


私はパピヨンやハーディング系など、人とのコミュニケーション上手な犬が好きで、媚びないタイプは物足りないんだけれど、ドライな関係希望の人には向いているんだと思います。


ピットブルはというと、総じて人が好きな犬だという印象です。ボール投げに興じたり、遊ぶのが大好き。ゴツい体で無邪気に遊ぶ姿はなんともグーフィーで楽しいです。


非難されるばかりではなく、擁護する運動も大きい「嫌われ者」であり「人気者」のピットブル。私はやみくもにピットブルを擁護しようと思ってはいませんが、
Shorty Rossi

どんな犬にでも起こりうる事故を、ピットブルが起こすとほらやっぱり、というような不平等はいけないと思っています。間違った飼育が事故を起こすのですから、同情で飼おうとせず、この力強い犬種を理解し、訓練を施せる人に飼われるべきです。
ショーティのサービス犬たち

また犬に襲われた時、確信もないのにイメージで「ピットブルだった」と報告する人が多いことも、ピットブルの事故数増加に影響していると言われます。
アメリカではもう耳にタコができるくらいみんな知っている、NFLのマイケル・ヴィック選手の闘犬事件からはや10年。もう許してやれ、とみんなそろそろ思っているでしょう。
出典 https://www.facebook.com/vicktoy

ヴィックは不幸な生い立ちだから彼を責めるのは間違い、という人もいます。私も犯罪心理に興味が深く、犯罪には不幸な背景がつきものと理解しています。

ヴィックがおびただしい数の犬を虐待、虐殺したのに、刑を受けてのちあっというまに現役復帰できたのはむしろ「どうせ殺したのはピットブル」という社会の風潮だとも思います。
出典 https://www.amazon.com/Found-Dogs-Fortunes-Michael-Pitbulls/dp/1543901727/ref=pd_lpo_sbs_14_img_2?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=MX5HNQ0AW3TNT4BT0P9H

虐待、虐殺したのが人間の子供たちだったなら、刑罰を受け謝罪しようとも花形ビジネスへの復帰など二度と社会が許さないし、

仮に殺されたのがピットブルではなく、大量のゴールデンレトリーバーやトイプードルだったら?パグやパピヨンだったら、社会は許したでしょうか?
もしも100匹のぼくとファルコアだったら?

ヴィックには代弁してくれる弁護士も会社もあるけれど、闘犬、あの危険な犬なら仕方ないと思われたままの声なきピットブルたちのために、私はヴィックがしたことを許さないのです。


生まれながらに危険な犬がいると信じるなら、この映画を見てみてください。ヴィックの闘犬場から救助され、殺処分を免れたほんの一握りのピットブルたちのドキュメンタリーです。

こちらは先週一緒に歩いたピットブルミックスのRuby。その時に撮った写真が里親募集のページに掲載されました。
詳細はこちら

元気だけどおとなしく、頭がいいです。ほんの数分でトリックを一つ覚えたし、信号をおすわりして待てます。


ご興味のある方は、シェルターに会いに行ってみてくださいね。
くださいね

ボランティアを始めてもうすぐ半年。いろんな犬と歩いて、まるで犬の授業を無料で受けているみたいです。

ご訪問ありがとうございました。キットにクリックのご褒美おねがいします♡
にほんブログ村 犬ブログ パピヨンへ
 にほんブログ村

 にほんブログ村 犬ブログ 元捨て犬・元保護犬へ
にほんブログ村
 
にほんブログ村 海外生活ブログ シアトル・ポートランド情報へ
にほんブログ村

キットを見つけてくれてありがとう!
  Puppy Adoption
 
KIT - The speed demon Papillon dog

Facebookページも宣伝

13 件のコメント:

  1. Rubyの写真もいいねぇ、早く里親がみつかるといいですね。

    どちらかというとピットよりもドイツ系の犬種で落ち着きがないタイプだとサイズもあるから怖いって感じます。

    私も生活を落ち着かせて、フォスターやボランティアできるようにしたいなぁと思いました。

    返信削除
    返信
    1. 実はRUby、このあとすぐに里親が見つかりました!感無量。

      Cocoさんちなら2匹と一緒に楽しいフォスター家族になれるんじゃないでしょうか〜!やってみてー。

      削除
  2. 公園で、たまに会うピットブルの女の子は、
    とても、懐っこいです。

    犬種によって、有る程度は性格が違うと思いますが、
    生活環境なんでしょうね!

    アトムは、パピヨンにしては大人しいと言われます。
    近所に、あの「サザビー」がいましたからね~!(笑)

    返信削除
    返信
    1. アトムくん、確かに写真で見る限りでは、キットと同じ犬種と思えないおっとりさんですね!走ってるところ、見てみたいです。

      それもまた生活環境なのかなー。キットはもともと活発だけど、さらに冒険冒険で育てましたから、サスケみたいな犬になってしまいました。

      削除
  3. お久しぶりです!うーん、やっぱりピットブル怖いです。飼い主がそばにいれば大丈夫でも、一頭になった瞬間、うちの犬を半殺しにしたピットブルを見てから、もうその気持ちは頭から離れません。知り合いも飼っているピットブルが近所の飼い猫を何匹も殺したと笑いながら話してました。実際、闘犬用にブリードされたので好戦的な部分は本能的にあると思いますよ。どうしてみなさん気軽に飼うのか心配です。そうとう犬の訓練が出来る人じゃないと飼うのやめてほしいです。うちの犬を襲ったピットブルの飼い主もその犬をシェルターに「返品」した後、またピットブルをひきとって来ました。毎日凶暴に吠えてます。
    最近知ったのですがうちで飼ってるラブと同じ犬種でも幼児を殺した事件もありました。犬を飼うということは大きな責任を負うことなんだなと思うようになりました。

    返信削除
    返信
    1. あの事件のことは私も今思い出しても胸が痛みます。モカちゃんの怪我が命にかかわるものでなかったことが本当に不幸中の幸いでした。

      ピットブルは最初闘犬としてブリードされ、その後にコンパニオンとしてのブリードもなされていますが、今も尚マッチョな目的でブリードしたり、飼う人が後を絶ちませんね。モカを襲った犬のあとにまた凝りもせず間違った飼い方をして近所の人を怖がらせているその飼い主や、猫を殺した愛犬を喜んでいるようなお知り合い、そのような方に飼われ、不幸にも凶暴になったピットを見れば、りょうこさんの恐怖が決して消えないこと、とてもよく理解できます。

      不幸にもそのように飼われ事故を起こす犬もいますが、上記のShorty Rossi氏のサービス犬のように、体の不自由な方に従事したり、ベビーシッターのように一生家族と穏やかに暮らすピットブルもまた大勢います。いつかりょうこさんにそんなやさしいピットたちとの出会いがあり、恐怖をぬぐい去ってくれる日が来るといいな、と祈るばかりです。

      削除
  4. ピットブルの話は色々な意味で根が深いですよね。

    うちのアパートもピットブル(雑種を含め)の飼育が禁止されています。
    私個人はピットブルのフニャフニャな人懐っこさがとても好きなんですね、そして、犬は犬種よりも教育と飼育環境の方が正確により強く反映されると思います。

    適正に飼育ができる人だけが飼うわけではないのが、問題をさらに深くしているのでしょうね。

    返信削除
    返信
    1. うちのコンドもピットブルやロットワイラー、ジャーマンシェパードなど数種類の犬種が飼育禁止です。ただ以前にブログにも書きましたが、おっかない小型犬を飼っている人がたくさん住んでいます!

      ピットはかっこいいので、マッチョなファッションのように飼われてしまうこともありますよね。ピットにとっては不幸なことです...

      削除
  5. 「まるで犬の授業を無料で受けているみたいです」ゆみこさんの言葉が心に響きました。
    難しい話もありますが 犬種によって命が繋がる繋がらないをなくすためにはどうしたらいいのでしょうね。
    リアンも2回ほどワンコに襲われましたが ピットブルではなかったです。
    マルさんがおっしゃられているように「犬種よりも教育と飼育環境の方が正確により強く反映される」のですね。どんな犬種を飼うにも研修をしてほしいなと思ったりしています。

    アトムパパ!「サザビー」とお知り合いですか~。いいな~(笑)

    返信削除
    返信
    1. どんな犬でもケンカはしますからね。決してこの犬だけが危ないとは言えないですよね。どんな犬を飼うのにも研修、賛成です!私もパピヨンを宿題してから飼ったつもりだけど、飼ってみたら想像以上のことが山ほどでした。飼ってしまってからヤバイ!とならない犬選びが、犬の命を救うんでじゃないでしょうかね...

      削除
  6. ピットブルに会ったことはないですが、日本犬だと甲斐犬みたいなものでしょうか。
    甲斐犬だと、やはり犬を襲ったとか子どもを噛んだとか、噂を時々聞きます。
    でも、うちのマンションにも甲斐犬いましたけど、とても大人しく臆病な子でした。
    やはりその犬種そのものより、しつけとか環境、そして個体差がものをいう気がします。

    返信削除
    返信
    1. 日本犬、アジア系の犬はいわゆる「原始犬」の感じが残っていて、人の仕事を人の顔色を見ながら手伝って来た、そのようにブリードをされた西洋犬とは、基盤が違いますよね。甲斐犬など、特に幼いうちから社会性をつけないといけないって聞きます。

      ピットは日本犬と違い、人の顔色を見ながら仕事ができる頭の良さもあるんです。決してガンコな犬種ではないので、飼ってみたらいろいろ楽しいところがあると思いますよー。

      削除
  7. Yumikoさん、お返事ありがとうございます!まさにその通りですねー。でもひとつだけ思い出したこと追加させてください。モカを襲ったピット、うちの中に入ってきて初めて私とうちの子どもたちに会ったとき、人懐っこくてフニャフニャで可愛くて驚いたんです、私。今までピットをステレオタイプ化して悪かったなって反省したぐらいでした。でも飼い主に電話をかけに私が部屋を出た瞬間、子供とピットとモカだけになった瞬間豹変したんです。で凶暴な攻撃、私でも止められなくて、飼い主が外から入って来た瞬間ピタッとやめ、おとなしいピットに戻ったんです。相手を見て自分の行動を変える犬だなと思いました。長〜いコメント読んでくださってありがとう��

    返信削除