2026年9月21日月曜日

K9ターザン∼ネロの生い立ち

犬が保護犬になる理由はさまざま。飼い主の事情でシェルターやレスキューに持ち込まれたり、

野良犬になりさまよっていたところを捕獲されたり、捨てられて発見されたり、劣悪な環境から救助されたり。

繁殖に使えなくなった犬をブリーダーがシェルターやレスキューに持ち込むケースもあります。

へー


ネロは北の方にあるインディアン居留地で生まれました。飼い主はトライブの酋長さんで、

リードに繋がれることもなく、近所の家を転々としておこぼれをもらいながら、外で野生の犬のように自由に暮らしていたそう。

ところがある日、脚を骨折。なぜ骨折したのか誰も知りません。

預かり宅にて


飼い主は怪我をしたネロの世話を友人に託したのですが、そこからレスキュー団体に持ち込まれ、

引き取った団体が治療を受け持ち、リハビリと基本的なトレーニングを施して、里親を募集したといういきさつ。

キットの場合は大切に飼われていて、飼い主が深刻な病気になったためにレスキューに託された箱入り息子でしたが、

ぼく蝶よ花よと育てられましたから


ネロはワイルド。ひとなつこいし甘えん坊ですが、キットに比べると独立心が高い。


脚に草や葉っぱがくっつくと、キットは立ち止まり、ヒトに助けを求めましたが、

ネロは泥んこの地面でも気にせず寝転んで、自分でどうにか体についた物をむしり取る…

何かに夢中になると周りが見えなくなります


私たちの元へ来るまで、

飼い主→飼い主の友人→レスキューの預かり宅→レスキューのトレーニングのための預かり宅→最初の里親→預かり宅に返却→我が家

5回住居が変わり、我が家は6回目の住まい。たらい回しにされるから保護犬はトラウマになると言われますが、

タフです。細かいことはどうでもいいらしい。

初日からこの寝姿


ネロよ、

木に駆け上ったリスを追って


恐れを知らぬおチビちゃんよ…

ぼくも駆け上る


「ターザン、シアトルに行く」


K9ターザンのシティドッグ修行が始まります。


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2026年9月15日火曜日

一目惚れも、運命も感じない犬

バーリントンの保護団体施設に到着すると、ネロの預かりママと団体の代表が迎えてくれました。

ファルコアママからのプレゼント


フェンスで囲まれた広い芝生の敷地に通され、ネロをここに放すから、しばらく近寄らずに様子を見てね、と。

わかっておりますとも。かわいい〜!とキャーキャー触られるのを歓迎しない犬はたくさんいるもんね。

芝生の上にしゃがみ、体を小さくして待つ私たち「よそ者」の気配に吠えるネロの声が、中から聞こえました。

代表がドアを開けると、小さな犬が脱兎のごとく飛び出して、広い敷地をピュー!と一周。

足が早く、ものすごく元気。

写真は当日のものではありません


ブーメランのように戻って来て、しゃがんでいる私の腕の中に飛び込んで来ました。

人懐こい。

そして少し離れた所にしゃがんでいた夫をみつけ、足の間に潜り込んで体をスリスリ、顔をペロペロ。

懐かないのではと心配していた夫の顔が、メロメロになりました。

トリーツを見せただけで、ぼくこんなのできるよ!とおすわりやフセを披露してくれて、


手の動きを追って、足を飛び越えたり、スピンしたり。これよ、私が好きなタイプ。

フードモチベーションが高く、喜んで指示を待つ、いろいろ教えられる可能性が高い犬。

そのうえ、懐かないのではという心配も消えた。

それなのに、

一目惚れもせず、運命の犬だとも思えなかったのです。

そんな!


エネルギーが超満タン。前の里親が手に余したように、私たちも手こずるだろうなと。

でも、キットが私たちをちょっと大変な犬を扱える飼い主に育ててくれた。

キット先生ですから


キットと面会した時も一目惚れも運命も感じなかったけれど、家のない犬なんだからという気持ちに押された。

家のない犬。それがいつも決め手になるんだなあと、子供の頃を思い出す。

なにより、ネロの元気すぎる鉄砲玉のような姿は、キットを失った私たちの「笑わせ役」みたい。

とにかく走る


夫に「連れて帰ろう」と言うと、夫もうなずきました。手続きを済ませ、ネロを1年間世話した預かりママとの別れの時。ママは気丈にしているけれど、このあと泣くだろうな…

それなのに、ネロは外に出るや否や、ピューと駆け出し、車にピョーンと勢いよく飛び乗りました。

あ、あれ?ママと離れて辛くないの?クンクン鳴かないの?

レッツゴー!


私たちに一目惚れをして運命を感じたのは、ネロの方だったのかな…


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2026年9月9日水曜日

懐かなかったらどうする?

「マミィは泣いてばっかり。ダメですね。」と、キットが鳴らしてくれたみたいな着信音…

それはネロを保護しているレスキュー団体からの返事で、預かりママと繋いでくれるとのことでした。

ぼくちゃんとマミィのおそばにいますから


里親希望の申し込みを何度送っても端にも棒にもかからない、と嘆く人の投稿を Reddit でみつけて希望を失いかけていたので、

とにかく返事が来ただけで、暗く沈んだ心に一筋の光が差しました。

預かりママと電話面接でネロの性格を教えてもらい、こちらは私たちの犬との暮らし方を説明。

犬に退屈させない暮らし方です、と


「マッチしてると思うわ」と。でしょー!プロフィールを見た時からそう思ってた!

次はいよいよ、面会です。

レスキュー団体の施設は、シアトルから車で1時間ほどのバーリントンにあり、預かりママ宅はなんとウィッビーアイランド。島からわざわざ、ネロを連れてバーリントンまで来てくれるということでした。

都合を合わせ、やっと面会の約束を取り付けたのは、申し込みから一ヶ月後のこと。

大変でしたね


やっと会えるというわくわくと同時に、不安なことがありました。

預かりママによると、ネロはママにはべったりなのにパパにはあっさりで、パパの帰宅時には必ず吠える、と。

しかも私たちの前にネロを引き取った里親がいて、それが原因して3ヶ月で返されたということでした。

ガオー


だから一時、里親募集のリストから消えていたんだね…

「心配な点はそれだけよ。あとはとってもいい犬!私が飼いたいくらいだけど、うちにはすでに犬が3匹いて。もうすぐ引っ越しも予定しているし。」


正直に話してくれたことに感謝。誠実な団体だなと思いました。

もしも夫になつかなかったら…夫も私もそれが心配で、



会ってみてダメなら諦めるしかない、と思いながら、面会へ向かいました。


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2026年9月2日水曜日

家を失った「夢の犬」

初めてネロの里親募集をみつけた時、ネロは脚を怪我していて、ギブスとエリカラをつけた写真が掲載されていたのですが、

ぼくお怪我してました

一度サイトから消えて再掲載された時は、預かりママによる詳しい性格の記載がありました。

トレーニングの反応がすばらしく良く、ドッグスポーツ、高度なトレーニング、ハイキング、旅行に向いている。人も犬も大好きで、

足も速い

「人懐っこい小さな犬を家族の一員として迎え入れてくれるご家庭にぴったりだと考えています。この愛らしくて優しい小さな犬は、きっとかけがえのない家族の一員となるでしょう。」(和訳 by AI)


わー…夢の犬?そんな犬が家を失うなんて、何があったんだろう…

ふたたび、申し込みフォームの質問に返答を打ち込む作業…

備考欄には、私がどんなに犬と一緒にできることを大切にしているか、トレーニングやドッグスポーツが好きかを猛アピール。

履歴書だってこんなに真剣に書いたことあったかな。

頼まなくてもこういう所に乗ります


返事が来ることを祈り、フォームを送信しました。書類で落とされた場合は通常、返事は来ません。

一日、二日、三日たち…四日目の夕方、夫が運転する車の助手席で、またダメだったのかなとしんみり。

窓の外に、キットといつも歩いていたグリーンレイクが見えて…

あそこに帰りたい。緑に囲まれた湖の周りを歩きたい。大好きな場所なのに、


一人じゃ行けない。悲しくて足が前に出ない。

涙が溢れ出した私に夫が、「メールチェックした?」

「したよ。今日も何回もした。返事来ない。」

と言った直後、


ピコーン、と着信音が鳴りました。


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