2014年12月16日火曜日

ヒーローインタビュー Vol.4 ジンキーママさん

家なき犬にとって、家族にむかえてくれたあなたはヒーロー!保護犬を引き取った人に体験談を訊く「ヒーローインタビュー」。シリーズ第4回目は、いろんな犬種のスーパーミックス犬・ジンクスの飼い主さん・ジンキーママさん(以下J)をお迎えしました。

Q. それではまず、自己紹介をお願いします。

J. ジンキーママです。息子と、彼と、犬のジンクスの4人暮らしです。埼玉県出身で、シアトルには93年から在住しています。
犬愛好家のミートアップ・グループ、「ワン友の会」で

Q. ジンクスとの出会いについて、教えて下さい。

J. ジンクスとの出会いは、あまりにも偶然でした。以前から犬を飼いたかったのですが、シングルマザーで時間に余裕が無く、ずっと我慢していました。息子が大きくなり手が離れてきた頃、やっと犬を飼う決心をし、友達に勧められたガイドドッグのキャリアチェンジ犬を引き取るための申し込みをしました。しかし連絡のないまま1年以上過ぎ、問い合わせると「盲導犬にはなれなかったけれど賢い犬達なので、飼い主になる人には(犬と一緒に)社会に貢献することに時間を費やしてしてもらいたい」と言われました。フルタイムで働いていて、一日10時間以上も留守にする私達が優先されないのも無理も無い、と納得しました。

その後Petfinderを利用したり、近所の動物保護施設に通い、犬探しを始めました。ある日息子から、アルバイト先の駐車場で、近所の動物病院主催の里親探しイベントをやっている、黒ラブも一匹いるよ、と連絡が入りました。友達のお行儀の良い黒ラブに憧れて、ずっと黒ラブを飼いたいと思っていたので、すぐに見に行きました。でも残念ながら、私とその黒ラブとは相性が合いませんでした。ふらふらと他の犬達を見ていたら、どこからか女性に連れられた黒い犬が近寄ってきました。この方の犬だと思い、かわいい~なんて話を始めたら、「He is available(里親探し中ですよ)」と言うのです。この女性、実は動物保護施設PAWSの方でした。これが、人懐っこくジャンプしてきたジンクスとの出会いでした。その場でジンクスを気に入ってしまい、すぐそばの動物病院のドッグランに連れて行き、様子を見たあと、即引き取ることにしました。2013年5月のことでした。現在推定6歳、雑種、オスです。何の雑種か気になり、DNAキットを購入して鑑定したところ...
どんな犬種のミックスか、あなたは予想できますか?

片親はパグ、もう片親はオーストラリアン・ケトルドッグ、ボーダーコリー、スキッパーキなどの雑種、という結果でした。ジンクスは以前、アイダホ州の施設で保護されていて、一度は引き取られたものの、1年で同じ施設に返されてしまいました。その時、施設の収容場所が不足していて、こちらのPAWSに送られてきました。書類によると、引き取られては返される、を数回繰り返していて、最後に施設に戻ったのは私達が引き取った日の数日前。その一ヶ月前には、車にはねられていたそうです。
ジンクスのDNAテスト結果

Q. ジンクスを選んだ理由は何ですか?

J. お互い、ピピ~ンとくるところがあったんですね。サイズもちょうどいいし、なんとも言えないユニークな顔立ちに一目ぼれ。
かわいい笑顔!

Q.「犬にやさしい街」といわれるシアトルですが、どんな点が良いと思いますか?

J. アメリカに来てからは初めて飼った犬なので他の町と比べられないのですが、犬の散歩ですれ違う人達がフレンドリー。最近は、犬の散歩で知り合った男性の奥さんとお友達になりました。
キットとも仲良し!

Q. 逆に、良くないと思う点は?

J. 残念な事に、ドッグランへ行くと、自分の犬をあまり見ていないオーナーを時々見かけますね。すべての犬達がフレンドリーとはいかないので、自分の犬から目を離さず、見ていてほしいですね。それと、散歩中に犬の糞を拾わないオーナーもマナー違反だなと思います。これには、とてもがっかりしちゃいますね。


Q.「ジンクスと歩こ、シアトル”いろいろ”ストリート」ージンクスと一緒に行く、好きな場所は?

J. 散歩で良く行く場所は、Edmonds Beachや近所の高校。ジンクスと一緒にハイキング・マツタケ狩り、コロンビア渓谷へ釣り、Deception Passへキャンプ、ユニオン湖やワシントン湖をボートでふらふらなども楽しんでいます。地元の様々な動物保護施設主催の5kWalkにも参加しています。
アウトドア天国!

Q. 犬を飼っている方へ、おすすめを教えてください。

J. 引き取ってすぐに、Puppy Mannersで躾のグループレッスンを取りました。オーナー夫妻は、クラスが終了した後でもメールで相談にのってくれました。現在は、MuttMindsetのマイリー先生の個人レッスンを取ってます。
食事も、人間と同じように犬にも安全な食べ物を与えたいので、時々犬の餌やおやつをネットで探して、自分で作るようにしています。Dog Food Advisor は、良く利用するサイト。ドッグフードのリコールもメールで送ってくれるので便利ですよ。それから、犬のレストランThe Dining Dog Café 。犬のコースディナーを提供してくれて、犬達は大喜びです。(注:人間の食事はありません)
The Dining Dog Caféで。ジーッとクッキーを見つめる真剣な横顔

意外なお勧め品は、トレッドミル。犬専用のではなく、うちにある誰も使ってない人間用のトレッドミルです。走るのが大好きなジンクスですが、冬場は散歩時間が短くなってしまうので、運動不足、欲求不満解消の為に使うようになりました。今では喜んで走ってくれます。最高で70分近くは走っていたかな。


Q. 犬を「買う」という選択もある中、施設から保護犬を引き取る選択をした理由は何ですか?

J. うちの場合、犬を「買う」と言う考え方は初めからありませんでしたね。保護施設に行った時に、あまりにも沢山の犬達がケージにいるのを見て、寂しくなりました。犬を「買おう」と思っている人には、是非一度、保護施設に足を運んでみてもらいたいです。
ぼくみたいなかわいい犬が、新しい家族を待ってるよ!

Q. ジンクスを家族に迎えて、どんな生活の変化がありましたか?

J. 家の中が平和になりました!(笑)帰宅すると、ジンクスが尻尾を振って待っていてくれるので、みんな自然と笑顔になります。気づくとみんなそれぞれ、ジンクスに話しかけているんです。家族の笑顔が増え、みんながジンクスに癒されています。それに朝晩の散歩は毎日なので、さらに早起きになり、健康になりましたね。小さな子供ができたように「早く家に帰らないと!」と思う毎日です。ジンクスがうちへ来てすぐ、散歩中に歩かなくなった事があり、見ると肉球にとげが刺さっていました。当時のジンクスの肉球はとっても綺麗で、やわらかかったんです。以前は散歩をしていなかったのでしょうか...今では、朝晩欠かさず散歩をしているので、頑丈な肉球になりました!

ジンクスはペットではなく、すっかり家族の一員。ジンクスを通して、犬好きのお友達ができたことも、嬉しいことです。
  

Q. 最後に、これから犬を飼おうと考えている人にメッセージを

J. 家族が増えて、生活が楽しくなります。それに、心が優しくなれますね。一度家族に迎えいれたら、最後までず~っと家族の一員として大切にしてあげて下さい。


ジンキーママさん、ありがとうございました!

引き取られては、何度も施設に戻ってきたジンクス。今は本当の家族の愛に包まれて、幸せに暮らしています。保護犬それぞれに、語られないエピソードがあります。もしも犬を飼おうとお考えでしたら、ぜひ一度、動物保護施設に足を運んでみてください。どこでどんな運命が待っているかわかりませんよ!全ての犬達が、クリスマスをあたたかい家族と迎えられるよう、キットも私も、祈っています。

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6 件のコメント:

  1. ジンクスくん、今は幸せですね!

    色々と大変な経験をしたんですね・・・
    でも、明るい、良い子ですね!

    我が家のアトムも、日中は、足が悪いジジの話し相手になってます(笑)

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    1. アトムくん、ジジの個人セラピー犬ですね!犬には人にできないことができますよね。人が人を笑わせるのは大変だけど、犬には簡単にできちゃいますよね。魔法使いみたいです。

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  2. ピーンときたって大切だと思います。
    本当、いろんな犬種がまざっていて、誰かが最高の家庭犬を作り出そうとしたみたい。笑

    パグのサイズと性格でボーダーのブレインをたしたみたいで魅力的ですよね。

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    1. ちょっと日本犬っぽくて、スキッパーキのようでスキッパーキでない...利口で活発、毛並みもつやっつや!ジンクスという犬種、いいかも!

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  3. はじめまして。
    シアトルに行ってみたいと思っていたので、こちらのブログが目に留まりました。

    私はパピヨンを飼っています。
    ブリーダーさんから買ったのですが、最初は保護犬にしようと何軒かの団体を当たりました。
    しかし、独身の一人暮らしで仕事で長い時間家を空けると分かると、きっぱり「ダメです」と言われました。
    きちんと育てられない、と思われるのでしょうね。
    ただ、おかげでブリーダーさんのところで売れ残っていた今の子と出会い、もう6年半になります。
    保護犬の団体さんの考えも分からなくはないですが、門前払いは止めて欲しいなと思いますね。
    せめて面談くらいしてくれたらいいのにと思います。

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    1. はじめまして。コメントありがとうございます!
      わかります、施設は厳しい条件を強いますよね。こちらでもそうなんです。連絡すれど返事も来ないことがありますよ!団体によりポリシーが違いますが、長時間お留守番のできる犬、できない犬など、貰い手の生活環境に合うかを審査されます。自宅訪問をする団体もあります。こちらの有名なパピヨン救助団体では、「高いフェンスのある庭付きの一軒家」が条件です。
      こちらではブリーダーも厳しくて、フルタイムの仕事をしていた友人の女性は、どのパピヨンブリーダーにも子犬を売ってもらえませんでした...厳し過ぎるように見えますが、保護している犬、生まれた犬の命を我が子のように思えばこそと理解しています。うちは幸いキットを引き取ることができましたが、審査が通るまでは泣きましたよ〜!
      kanonさんのブログ、拝見しました。キャスちゃんかわいいですね!運命の子なんですね。時々、遊びに行きます。キットにもまた、会いにきてくださいね。いつかぜひ、シアトルにいらしてください。パピヨンはあまりいませんが、犬にやさしい、犬いっぱいの街です!

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