2019年2月15日金曜日

他人の老犬をお世話した友人と、犬を蹴り上げる「しつけ」

日本の友人が、他人の老犬をお世話しました。

外飼いで鎖が絡まり、身動きもできず、食事もまともにもらえず、痩せてズタボロ。暴力も振るわれていたよう。


明らかにネグレクトで虐待なのに、行政は何もできず、交渉しても犬を手放さない飼い主に代わり、

(飼い主の許可のもと)友人と仲間が食事を与え、散歩をし、鎖が絡まないよう庭を整備。獣医に診せたところ、癌で余命一ヶ月という診断でしたが、


 友人たちににかわいがられたその犬は、それから一年間も生きたのでした。
愛の力ですね

今注目されている、老犬のレイちゃんを蹴り上げる動画をみなさんもご覧になったと思います(むごいのでリンクしません)。飼い主の女性は精神に問題のある人物と思われますが、

私は報道の姿勢にイライラ。コメントが甘いというか、ヘタなことを言わないようにしているというか。


例えばFNN PRIMEでは、 アナウンサーがこう言いました:

 「飼い主の女性はしつけと主張していますが、第三者から見てしつけなのか虐待なのかを判断することは、非常〜に難しいことだと思います。自治体などは動物虐待疑われる場面を目撃したら、警察や保健所などに通報するよう、呼びかけています」

「思います」というからにはこの人の「意見」なわけですが、この動画を指して言っているのか、一般論としてなのか、肝心なところが曖昧です。


この動画を見て虐待かしつけか、自分には判断できないという意味ならば、このアナウンサーが異常です。そもそも、虐待したヒトが「虐待しました」と言うわけがないでしょうが。

飼い主は「ペットショップに教えられているしつけをした」と主張していて、本当かもしれないし、ウソかもしれない。問題は、


こんな人物にでもペットショップはペットを売る、ということです。

もしもあなたの愛犬に子犬が生まれたら、この人物に売りますか?とんでもない、と思うならば、そのトンデモをやっているビジネスをどう思いますか?


蹴られながら生きてきたレイちゃんが命をかけて教えてくれたのですから、もう本当にこれで目をさまし、

日本は「いつわりのペット大国」から、「真の動物福祉大国」にきびすを返してほしい。


アメリカは動物福祉が進んでいると思われがちですが、おびただしい数の虐待、殺処分、闘犬、パピーミル、と問題だらけ。 シアトルはその中において、動物福祉が整った都市のひとつと言えますが、


ペット店での生態販売禁止の「法律」など、シアトルにだってありません。ただ市民がそれを許さないし、店も動物福祉の観点から売らないだけで「法に縛られて生態販売できない」のではありません。
All The Best Pet Careウォーリングフォード店のオープニングイベント

法整備を待っていないで、市民がとっとと意識を変えれば良いことではないでしょうか。
試食をもらいたくてそわそわ

レイちゃんを保護したところで、飼い主はペットショップに行けばまた子犬を売ってもらえるでしょう。友人がお世話した老犬の飼い主にだってです。どんな人物が子犬を買うかは、ショップや繁殖屋には関係のないことです。
オープニングイベントには犬のフードトラック The Seattle Barkery

動物虐待者にでもペットを売る、その根源を絶たずにどうやってペットを守れるの?そういう人物に凝りもせず「ペットは最後まで責任を持って」と説くのですか?
犬にも飼い主にも大サービス ペットを売らなくても大繁盛
 
店の前でプラカードを持って叫ばなくても、利用しなければ良いだけのこと。生態販売している店ではフードやグッズも買わない。ショップにはそれが一番堪えるのですから。
おみやげいっぱいもらったよ また来ようね

友人がお世話した犬は、最後にヒトに愛された思い出と一緒に天国へ行きました。レイちゃんには、蹴飛ばさない人間もいるんだということを知って、穏やかな余生をすごしてほしいです。
レイちゃん元気になって

レイちゃん、人間がお金のためにレイちゃんを動物虐待者に売って、ごめんね。
蹴られても人間を恨まない犬に、詫びる言葉がみつかりますか。同情するなら態度で示せ、と言うしかありません。

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14 件のコメント:

  1. テレビでレイちゃんの報道を見ました。
    明らかに虐待です。

    でも、虐待と名言できないマスコミ・役所がいました。

    子供の虐待でも、同じですが、やはり強制力を行使する権限を
    信頼できる組織に与えるべきだと思いました。

    まだまだ、子供や動物を所有物と考える人が多いのでしょうね・・・

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    1. 子供の虐待の報道も、目を覆うヒドさですよね。虐待されている子供を虐待する親に返すとか、聞いて呆れます。動物は日本の法律だと「物」扱いなので、子供よりも立場は厳しいですね。
      子供、動物、それぞれの専門家が行政に入らないと、今後も悲劇が続くと思います。

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  2. "日本は「いつわりのペット大国」から、「真の動物福祉大国」にきびすを返してほしい。"

    本当にその通りです。今の日本は母国ながら恥ずかしい。そしてとても残念です。
    飼い主は精神的に問題のある人なのは間違いないと思いますが、
    それでもやって良いことと悪いことの区別はできるんじゃないかと思います。
    つまり犬は口がきけないからわかっていてやっているんですよね。
    私が見た報道と同じ人だとしたらその人は”私は絶対にお腹は蹴りません。お腹は弱いですから。”
    と弁解(?)していましたが、蹴る事自体明らかな虐待行為です。
    ペット虐待も幼児虐待も弱いものいじめ。
    国はもっと”虐待”と認める行為などを明確にして取り締まるべきですよね。

    お友達に可愛がられて幸せな思い出と共に天国に行ったワンちゃんは
    本当に救われたと思います。全ての人ができることではありませんが、こういう思いを
    持っている人は本当の優しい人、思いやりのある素晴らしい人だと思います。



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    1. 私もです...故郷として誇れる国なのに、動物に関して本当にヒドい。この飼い主、いつも犬を蹴りながら歩いていたと推測しますが、16歳になってやっと救助されるまで、誰も何もしてこなかったの?と呆れます。お腹は蹴っていない、肩だ!って、肩は蹴ってもいいって誰が言ったのやら。完全に狂ってますよね。日頃から暴力行為に甘い国なので、犬が被害者の場合はもっと甘くなるんだろうなと思います。

      友人は現在、猫を2匹フォスターしています。それも施設を通してじゃなくて自主的になので、費用も自分もち。最後は天国に行ける人です。レイちゃんの飼い主は地獄行き決定。

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  3. レイちゃん、そんな悲しいニュースがあったのですね。心が痛みます。。そしてシアトルに生態販売規制の法律がないことに驚きました。たしかカリフォルニアはちょっと前に法で規制される事になったような?シアトル市民の動物愛護精神はゆみこさんのブログを通してとても実感してきたので、法で規制した上でそれ以上の何かがあると思っていたんです。とにかく進んでいるので規制もされていると思っていました。と言うことは、日本でも法の規制無しに生態販売禁止や動物愛護の浸透が可能と言うことですよね。

    ただ日本は、男尊女卑、ステレオタイプ、躾の方法、とにかく考え方が昭和のまま止まっている人が結構いると思います。この考えを徐々にですが変えていくには、やっぱり教育かなと思うんです。生まれながらに精神的病気を持った人も、小さい時からの環境と教育で良くもなるし悪くもなる。。
    日本の某掲示板とか読んでいても、子供は叩いて躾ても良いと思っている親が多くて辛くなります。叩かれた子はいずれ誰かを叩いたり、もっと弱い動物に向かう事につながるかもしれないのに。

    今すぐに私達に出来ることは何なのでしょうか?

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    1. たぶん状況がヒドい地域の方が、法律で定めなくちゃ手に負えないじゃないでしょうかね。カリフォルニアは酷いんだろうなと思います。カリフォルニアのキルシェルターからシアトルに運ばれて来る犬、とても多いです(ファルコアも)。ただシアトル郊外、田舎の方には生態販売している店もあり、つい昨秋にも一店オープンして騒ぎになっています。この店を取り締まるべく、WA州にも法律を作れという動きもあって、まさにプロテスターも店舗前で妨害しているそうなので、店はいつまでがんばれるのか、注目しています。シアトル中心部でそんな店があったら、投石まちがいなしです。動物を使ったサーカスも、シアトル郊外までは来ます。シアトル市民は怖いらしい :D

      小学5、6年の時、担任が体罰教師でした。もうほんと恨みしかないです。今なら絶対負けないのに、子供が反抗できない、大人天下の年齢の時に暴力を振るうとは、ひとでなしめと思います。

      私いつも思うんですよ、私がキムタクだったらなあ!とか、嵐だったらなあ!とか。そうだったら今すぐ!会見開いて動物福祉を訴えますね。人気者が言えばみんな言うこと聞くんだから!人気者じゃないけど、地道に書いて行こうと思います...

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  4. レイちゃんの動画、私もニュースで見ました。
    犬の訓練をやっている私から見てもあれを「しつけ」という事に呆れました。
    ただの八つ当たり、虐待に他ならないと思いました。
    日本では犬は物扱い。命として見ていない行政にも責任があると思います。
    もちろん誰にでも売ってしまうペットショップやパピーミルは言うまでもありません。

    私の友人は最初の子を亡くしてからは敢えて年齢の行った保護犬を引き取って育てています。
    若い犬はいくらでも引き取り手があるでしょう。
    歳を取って生い先が短い子の最後を幸せに過ごしてもらって寂しく最後を迎えて欲しくないと言っていました。
    全ての人が放棄された犬を引き取れる状況ではないでしょうが
    せめてペットショップでの生体販売だけでも禁止にする法律ができればいいと常々思っています。

    我が家の猫たちは捨て猫でしたが、犬に関しては保護活動をしたことない私が
    偉そうなことを言って、とお気に障ったらごめんなさい。

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    1. 動物を物とする法律、私も遺憾に思います。政府の中にも動物を愛する人はいるはずだと思うのですが、ペット産業と癒着の深い議員もいるらしいので、手強いですね。

      シアトルには老犬専門の保護団体があります。私のボランティアしているシェルターに来る犬も、成犬、老犬が多いのですが、大体家族がみつかります。生活環境に合った性格、年齢のペットとのマッチングを望む人が多く、どうしても子犬、子猫じゃなきゃいやという人は、日本に比べ少ないと感じています。

      猫ちゃんを保護して飼ってらっしゃるんですね。捨てられても幸せになれてよかった!どうぞ今度紹介してくださいね(猫も大好きです)!

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  5. 初めてコメントします。
    キット君の写真を見ながら、自分も一緒にシアトルを散策している気分でいつも楽しくブログを拝見しています。

    先進国と言われる日本ですが、残念ながら虐待や動物保護に関してはまだまだ発展途上国。
    動物保護活動に懸命に取り組んでいるタレントの方々もいますし、
    TVでも保護犬の特集を組んだりと、少しではあるけれど、国民の保護犬に向ける意識も変わってきてはいるとは思いますが、まだまだこういった虐待や放棄がなくならない現状。

    児童虐待、動物虐待、躾に暴力は必要ないです。
    親が、飼い主が、自分の鬱憤を弱者を傷めつけて晴らしているだけ。

    レイちゃんが鬼飼い主に蹴り倒されて、地面に崩れた後も、鬼飼い主を見上げるけなげな姿、
    目に焼き付いてしまって忘れることができません。
    鬼飼い主でもレイちゃんにとっては服従しなくてはいけない相手なんだなと、切なすぎて。

    私の愛犬も保護犬です。
    レスキューされる子達が輝いて新しい飼い主さんと縁を結びつける報告など、
    うれしく思いながらも、消えることのない現状。
    レスキュー団体さん達が活動することのない世の中になってくれれば、本当にいいのだけれど。

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    1. 私ももうこれ以上、あの動画を凝視することができません。弱い者をただ痛めつける、卑怯極まりない行為が今まで繰り返されていたのかと思うと、胸が張り裂けそうになります。以前に比べ、日本のテレビ番組で、保護ペットの紹介がよくされるようになりましたよね(ユーチューブでチェックしています!)。それでもペット産業の力が日本はとても強くて、そっちのキャンペーンが強すぎるし、スポンサーの関係もあり、もう一歩踏み出すことのできない番組作りがされているなと思います。蛇口を閉めないで溢れる水を止めようとしているような環境だなと。

      本当に、シェルターやレスキューがいらなくなる世の中が望ましいですよね。愛犬のわんちゃん、いつか紹介してくださいね!いつも読んでくださってありがとうございます。シアトルの良いところが伝わるよう、がんばります!

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  6. 私も学校での体罰は嫌な思い出しかないです。

    犬のトレーニングでも極端にすべての体罰やドックスポーツなんも排除しようとしたりするグループがでてくるのも理解できます。一般の飼い主が問題意識をもたないと、現状がかわらないか、犬を飼うことも否定されてしまう可能性もあることにきずかないといけないとおもいました。

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    1. 今は学校の体罰も減ったんでしょうか?私たちの世代って、普通にいたよね、そういう教師...あんニャロー!
      日本のこの状況、犬を飼っちゃダメな環境だとさえ感じました。他のアジアの国でもいろんな犬問題起きているみたいだけど、この件に関して日本は改善しようとする気が超消極的なのが不思議です。

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  7. この動画だけじゃなく、日々犬の虐待動画を目にすることがあって、そのたびに胸が潰れそうな気持ちになっています。車で犬の散歩をしようとするおじいさんもいたんですよ…。

    日本の法律では犬は「物」なので、所有者である飼い主が自由にしてしまえるのが大問題です。そのために、自宅繁殖させるのも自由、殴る蹴るも自由、捨てるのも自由…こんな馬鹿なことがあるでしょうか。

    日本人は動物に対して消極的と言うか、「管理するべき」より「自由にそのままにしておくべき」という考え方が一般の飼い主や飼っていない人に多い気がします。避妊去勢手術に対して嫌がる人が多いのもそのひとつと思います。しつけが行き届いていない犬が多いのもその原因かと。

    動物愛護法の改正が間近に迫っていて、署名活動も活発に行われていますが(私も署名しました)テレビで取り上げられることはほとんどありません。

    おっしゃる通り、法整備しなくても一般の人達の意識が変われば変わるはずで、少しずつそういう流れが見えては来ていますが、とても遅く感じます。

    テレビのアナウンサーやコメンテーターもずれた事を言う人が多いと感じますし、動物に対しての「ペット」感覚はいつからこうなったのかと思うぐらい。昔は野良犬がたくさんいて、近所で生まれた子犬をもらってきて飼う人たちが多かったのに、どうしてなんでしょうね。

    生体販売や繁殖に関しての規制はもちろん、もっと広く世間の人たちの意識が変わるにはどうすればよいのかといつも考えます。

    私もあまりにも小さい力で濁流に小枝を投げ入れるぐらいのことしか出来ていませんが、多くの小枝が集まっていつしかダムになり、この流れを止めることが出来ると信じてブログを続けようと思います。

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    1. 「自由にそのままにしておくべき」、わかります。欧米にくらべ、犬との共同作業の内容が、歴史的に違うと考えています。犬は教育すれば仕事を覚えるという考えのもと、そのためにブリードしてきた欧米の犬は、人とのコミュニケーション能力が高いし、ヒトもまた犬とのコミュニケーション能力が高いと感じますが、和犬が動物を追う猟犬であるように、本能のままに動物を追いかけさせるという、あまりコミュニケーション能力が要らない共同作業が適していた文化の違いかと思います。現在でも、愛犬に何も教えていない飼い主が「うちの犬は何もできない」「うちの犬はバカ」と言ってみたり、芸のある犬を見れば「生まれつき頭が良い」「純血種だから利口」と考える風潮があると思いませんか?犬の能力、才能を見いだし、一緒に「何かをする」という犬とのつきあい方を望まない、そこに考えもおよばない人が結構いるのではないでしょうか。本当の「犬の気持ち」から大きくズレた考えが根底にあると思います。

      かつて犬の飼い方教本には、犬のしつけのために軽く叩いてもよい、といったことが書かれていましたが、現代はさすがにそれはないにせよ(ないですよね??)、相変わらず説明不足な書籍を目にします。ペットをどんどん買わせて利益を得たいと考える業界が作り上げた「ペット大国」に打ち勝つのは、やはりヒトの良心であると考えています。見せたくない部分を覆い隠しても、いつかは剥がれるものだと信じています。

      スズメ天狗さん、署名されたんですね。動物に代わって、ありがとう!!

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