2021年2月9日火曜日

日本人差別、ショックな理由

 犬を飼いたいと希望していた、シアトルエリアに住むある日本人のご夫婦。希望犬種のブリーダーを見つけ、子犬を売ってもらいたいとメールを送りました。



ところがブリーダーからの返事は「日本人に子犬は売らない」。



強烈な人種差別発言。驚いたご夫婦は、そのわけを尋ねました。理由は何だと予想しますか?


かつて敵国だったから(古すぎる理由)?

バブル時代にブイブイいって困らせたから?

肌の色が違うから?

見た目が気に入らないから?


ブリーダーはその理由について、長い説明のメールを寄越したそうです。要約すると、


「パピーミル(子犬工場)やペットショップが横行している国の人に売って、子犬が悪しきペット業界の手に渡るリスクを避けるため」。

ガックリ

ご夫婦は懸命に、自分たちに限ってそんな可能性は絶対にないことを説明。最終的にはお互いに信用を築き、ご夫婦は子犬を売ってもらうことができたそう。



知人からこの話を聞いて、本当にショックでした。特定の人種をこうだと決めつける行為は、人種差別そのもの。でもご夫婦はメディアに訴えて街を火の海にすることもなく、

日本人みんながそうではないと説得し、熱意でブリーダーの日本人に対する意識を変えました。

がんばりましたね

誤解されているかもしれませんが、私は犬をブリードすることに反対ではありません。犬の健康のために純血種は良くないという意見もありますが、

ラブ系ミックスの優し〜い Leonard 里親募集中

例えば、本来の自然な犬の形をしたパピヨンは、長い歴史の中で無理をかけずに改良された、遺伝的な病気のない健康な犬種です。賢くて、素晴らしい人間のコンパニオンのこんな犬種は、いなくならないでほしい。


でも、見た目重視で不自然な体型にされ、様々な病気に苦しむ犬種もあります。こういう犬種は、少しずつ健康な形に正す取り組みをしてほしい。わざと犬にとって苦しい体型にするなんて、かわいそうだと思いませんか?



どこで売られている犬も、命の尊さが一緒なのは当然のことですが、

子犬が生まれて間もない赤ちゃんの時に、オークションにかけられ、かわいそうな試練を強いられて店頭に陳列されていることや、親犬がどんな繁殖をさせられているか、動物福祉に沿って考えなければいけないと思います。

里親が決まったアジリティ名犬


ショップに並ぶ子犬の姿が唯一の「見せられる部分」で、その裏は見せられないなんて、ブラック企業そのもの。人種差別主義者と呼ばれても子犬を守ろうとしたブリーダーの真意は、ここにあると思います。

ペットショップやオンラインの生態販売は、人の便利のためのコンビニのようなもの。便利の代償は、犬が背負わされています。



犬を苦しませないために、遠くて大変でも、信頼のおけるブリーダーから直接子犬を受けとってほしいです。

持病があったけれど、良い里親さんに出会えたよ

私の友達にも何人か、子犬をシアトル近郊のブリーダーから買った人がいますが、みんな口を揃えていうのは、審査がとても厳しかったと。

それでいいと私は思います。人の喜びよりも、犬の幸せのために。

連れて帰りたくなった犬 ボランティアチームのメンバーにもらわれたラッキードッグ!

最近日本のペットショップでも保護犬を置いているそうですが、中には売れ残りの犬を保護犬と偽って売っている「地獄でエンマ大王まってるョ!系」大手ペットショップもあるそうなので、お気をつけくださいね。

なんでシェルターに来ちゃったの系生後6ヶ月 すぐに里親が決まりました

私は、日本には犬好きな人が多いと思っています。



日本代表として、日本にも真面目な愛犬家がたくさんいることを鼻息荒くアピールしようと思った、悲しい差別のお話でした。


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8 件のコメント:

  1. BLMの関係で似たような話聞いたようにも思います。
    中流以上の白人女性が多い世界なのでまだまだ難しい問題があるみたいですね。

    基本、白人に売りたいんだと思います。単に、白人のライフスタイルは理解しているから安心だけど、それから外れるとどんなライフスタイルか想像つかないから不安っていうのがあるのかなぁと。犬の肉たべてるたいなイメージ?

    電話インタビューで落とされないように白人訛りで話したこともあったっていう話もありました。

    でも、関係を築いて仔犬を譲ってもらえたのは理想的かなぁとも思います。

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    1. ありそうですよね、BLM関係。アメリカ人の友人が、日本人は犬肉食べると思ってたことや、そして他の人には日本が「ひとりっ子政策」とってると思われていることが判明して以来!日本のこと、外国のことに人は無頓着だと思い知らされました。私だってそうだなあと。機会があれば誤解には声をあげたいですよね。私白人なまり、できないわー。
      本当にこのご夫婦、最初にキレて諦めず、理想的な対応をしたと思いました。

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  2. こんにちは!いつも楽しく拝見しています。
    今回のブログ、ブリダーさんが言うことも嘘ではなく、日本にはまだまだ悪質なブリダーやペットショップ、ペットcafe・・・たくさんいます。
    利用する人がいるから、そういう悪質な人や店がなくならない。
    日本も生体を販売するペットショップがなくなればいいのに。
    残酷なニュースを見るたびに、同じ境遇にあわせてやりたいと何度思ったことか。
    それでも杉本彩さんなど芸能人の方々が力を入れて、法律を変えようと動いてくれたり、テレビで保護犬猫を取り上げたり、そのことで少しづつですが日本人の意識も変わってきてはいます。
    私も身近な人がペットを飼うことを考えていると、保護犬猫をすすめますが、「この犬が飼いたいから犬を迎えるの」と犬種を固定しているとそれ以上はすすめれず、その方は、ラブラドゥードゥルのブリダーさんから直接譲り受けたそうですので、悪質なブリダーではなくちゃんと信頼できるブリダーさんからだったからほっとしました。

    まだまだ劣悪な環境で、狭く汚いケージから出されるのは子作りマシーンとして扱われる時だけの、お日様の存在すら知らない子たちが沢山いることを考えると、本当に胸が苦しいです。
    金儲けだけの子作りに利用するその現場は、レイプ同然と感じてしまう。

    その衝撃なことを言ったブリダーさんは、ご夫婦を試したのかもしれませんね。それだけ犬のことを考えてくださっている方なのでしょうね。でも「日本人には渡さない」なんて言われたら、それはもうショックで髪の毛全部抜けるくらいの衝撃だと思います。でも誤解がとけて良かったです。
    それだけ真剣に向かい合って、きっととても素敵なご夫婦なのだと思います。

    私も今の子を里子に迎える時の審査はものすごく厳しかったです。どうして他人にここまで言われないとならないのかと思うような質問も沢山聞かれました。
    だから残念ながら、ペットショップに走ってしまう人も多いのも事実。
    でもそれだけ、レスキュー団体さんは真剣で、それだけ1頭1頭の命に向き合っているんですよね。
    日本のペットショップももっと厳しく審査してくれればいいのに。

    いつかシアトルへ行きたいと思っていたら、コロナでますます夢が遠のいてしましました。
    でも雨にも負けず、コロナにも負けないキット君のブログで、
    一緒に森を散歩している気分で読んでいます。
    これからもずっと、ブログ楽しみにしています♪お邪魔しました!

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    1. Little Mother さん、初めまして!
      私も日本にいた頃は、街を歩けばデパートの中にでさえペットが売られていて、胸を痛めたものです。この子犬たちはどこから連れてこられたんだろう、完売するはずもないのに、この先どうなるんだろう…キャッキャしているお客さんたちに尻尾を振る子犬の姿を見ていられず、泣きながら立ち去ったこともありました。

      シアトルではペット店での生態販売はありませんが、ちょっと郊外、田舎の方へ行へば話はまた別。シアトルのように「意識高い系」の街ではできないことを、田舎の人にするっていうところも腹が立ちます。こういうことを書くと、反対意見の怖ーいコメントが届くんじゃないかとドキドキしますが、Little Motherさんが温かいコメントを寄せてくださって嬉しいです。ブログを拝見しましたよ。お菓子作りの名人で、かわいいわんちゃんを飼っていらっしゃる方と出会えて嬉しいです。いつかシアトルへ来ていただきたい!
      ぽぴぃちゃんのお写真、時々ブログで見せてくださいね。これからもよろしくお願いします!

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    2. 実は数年前のコメントにもお邪魔していたんですよ♪

      ニュースだと、都合いいシーンだけを切り取って報道するから、
      真実を知るのは、現地の方の発信が一番有力と思っています。
      なので、キット君の温かさの詰まったブログは、
      すごくわかりやすく現地のことが書かれているから、とても参考になります。
      でも、分かります。怖いコメントが届くのはちょっと嫌ですよね。

      これからも楽しみにしています。

      キット君のビスケット隠し、可愛すぎます!
      いつかぽぴィと見つけちゃおかな~

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    3. そうでしたか!失礼しました〜!
      シアトルに住んで、日本との動物福祉の環境があまりに違うので、良いお手本としてご紹介したいと思い、始めたブログです。何かのお役に立てると嬉しいです!

      ぽぴィちゃん、クンクン嗅ぎながらシアトルまで来ちゃうのかな〜!会ってみたいなあ!

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  3. このお話は衝撃を受けましたが、それだけ子犬の行く末を考えているブリーダーってことなんですよね。
    まだまだ海外から見たら日本はペット後進国なんだと思います。

    ”売れ残りの犬を保護犬と偽って売っている「地獄でエンマ大王まってるョ!系」大手ペットショップもある”
    これ本当に腹立たしいですよね。保護犬が認知されるようになって、まさか逆手に取った商売をするところが出るとは思いませんでした。

    炎上させなかったご夫婦は偉いですね。私はこの話をツイッターに書きたいと思ってしまうんですが、ゆみこさんのブログが変な形で広まると困るので控えます…。

    少しずつ日本も良い方向に向かってると思うのですが、まだ遠いですね…。
    この不名誉なイメージを払拭する未来を目指して頑張りたいです。

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    1. ありがとうございます。このブログを始めた目的は、動物愛護です。地獄のような環境で命からがら生きている犬たち、動物たちがいるのに、批判くらいなんだ!という覚悟を持って書いています(ドキドキしながらですけどね!)。だから、記事を使っていただけるなら本望ですので、どうぞご縁虚なく!そのほうが死んでいった犬たちも浮かばれると思いますので…

      お気遣い、ありがとうございます。お互いに強い風当たりに負けず、頑張りましょう!

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