アジア系スーパーで買い物を終えて、駐車場を歩いていたら、車の前でオロオロしていたアジア系のオバさんが私に言いました。
「車の鍵を無くしちゃった!」。買い物をして車に戻って、鍵がないことに気づいたと。
まさかの訴えに驚き、一緒に周りを探しましたがやはりない。ポケットやバッグの中にもない。店に届けを出してみてはと提案しても、困った困ったとオロオロするばかり。
私も困った。こりゃー家族を呼ぶか、家まで送ってあげるべきか?リンウッドとかだったらキツイな…とか考え始め、
念のためもう一度、バッグのポケットの中を見てみたらと提案。どうせないし、っていう顔でポケットを探るオバさん。そして、
「あったー!」と天に向かって突き上げたその拳に、ビニール袋に入った鍵が握られていました。
イエーイ!とふたりで大喜び。心からホッとしました…
うっかりさんですね |
ありがとうありがとうと、感謝の言葉を繰り返すオバさん。私何もしてませんけどと言うと、
「あなたのおもいやりのおかげよ!」と、個包装された小さなケーキがたくさん入った袋を取り出しました。
これはもしや「オバさんの恩返し」?雀のつづらか、正直じいさんがもらうやつか…
まさか |
礼などいりませんよと断ろうとしたら、
「孫が大好きなの。一個99セント、オススメよ!」と、オススメ情報を教えてくれただけだった…
いかんいかん、心のよくばりバアさんが顔を出すところでした。そこで私も、買ったばかりの日本のモンブランをオススメ。なぜか駐車場でお菓子を見せっこする、アジアンオバさん二人…
落ち着いてくださいね |
じゃあ気をつけてねとお互い車に乗ってからも、車の窓からサンキューサンキューと叫んで見送ってくれるオバさん。帰りのドライブはなんだか、幸せな気分になりました。
「アジアンオバさんの感謝」エピソード、もうひとつあります。
公園でよく見る、マルチーズを連れたアジアンオバさん。この犬がヨソの犬に向かってギャーギャー吠えるので、犬連れの人たちに避けられていました。
伸縮リードを調整しないので、いっぱいまでヨソの犬に駆け寄っちゃう。必死に呼び止めようとはしているけれど、もちろん犬は止まらない。
エラいことになっているなーと、私たちも遠巻きに見ていましたが、
ある雨の日、遠くからオバさんとマルチーズを見つけたキットがはたと立ち止まり、テケテケとそちらへ歩み始めたのです。
かけてくるマルチーズ、はしゃぐ二匹。なんだかキットが「お友達がいないの?ぼくお友達になってあげるよ!」って言っているみたいでした。
オバさんはつたない英語で「みんなが避けていくのに、友達になってくれた犬は初めて。ありがとう、ありがとう!」と私をぎゅーっとハグ。雨の中で抱き合うアジアンオバさん二人…
そして突然の「あなた何歳?」。年齢を言ったら、あら結構いってるのねっていう気まずい空気が流れましたけどね。
あるあるですね |
以来、キットとマルチーズのデヴィッドは、会うと駆け寄る仲良しになりました。ちょうど入れ違いでオバさんが車で去って行く時に私たちが到着すると、デヴィッドは窓からキットに、キットは車に乗ったデヴィッドに向かって鳴き合うほど。明日は遊ぼうね!って言っているのかな。
タイトルを見て、いやあんたとっくにオバさんでしょうが、と思いながらここまで読んでくださったあなた。ええ、私はオバさんですよ。どうせどんどんオバさんになってゆくのなら、
私が出会った「屈託のないオバさん」になりたいと思うのです。なろうとしてなれるものではなくてもね。
今、アメリカ各地で、アジア系の人への暴力事件が相次いでいます。
一旦きれいになって、数日後にはまたグラフィティだらけになった |
不幸の原因を暴力で抹殺した先に待つ、もっと不幸な余生。
自分の不幸を誰かのせいだと思えば思うほど、どんどん不幸になりますね。
心がけて、ほがらかに暮らそう。誰も不幸にしない、屈託のないオバさんをお手本にして。
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